居酒屋の通訳官
2026-07-13金曜日の夜、珍しく何部署かが集まって一杯やることになった。

日本人同僚の言った渋いジョークは、中国人同僚にはピンと来ない。中国人同僚のネタは、日本人同僚がぽかんとする。空気は微妙なところで止まっていた。

そこに、候鳥チャンがグラスを持って割り込んできた。

二言三言で両方の笑いどころを訳し、自分なりのスパイスまで加えて、テーブル中を笑いの渦に巻き込んだ。日本人の先輩は肩を叩きながら「お前の日本語、俺より自然だな」と言い、中国人同僚も笑って「どこ行っても人気者だな」と言った。

候鳥チャンはただ笑って、自分の分にはお茶を注ぎながら、言った:「そんなことないよ、みんなちゃんと話したいだけだから。ただの口が軽い奴さ」

牛馬チャンは隣に座って、二つの言葉の間を行き来する候鳥チャンを見ながら、ふと尋ねた:「実家の方、この時期ってどんな天気?」

候鳥チャンは一瞬、意外そうな顔をした。誰かにそんなことを聞かれるとは思っていなかったように。そして、さらりと答えた:「あー、この時期はもう、涼しくなり始めてる頃かな」

言い終わると、また別のテーブルに呼ばれてジョークを披露しに行ってしまった。まるで忘れっぽい旅行鞄のように、その一言を軽く置いたまま、もう触れなかった。
牛馬チャンはビールを一口飲んで、特に気にすることもなく、テーブル中の賑やかな笑い声を聞き続けていた。

今日も一日がんばるぞい。
言われた言葉の中には、言ってしまえばそれきりのものもある。
ただ、後になって振り返ってみると気づく——あの夜にはもう、少しだけ秋の匂いが、夏のグラスの中に紛れ込んでいたのだと。

